このところ、SDGs達成に向けた取り組みが、さまざまな業界で進められていますよね。
ファッション分野においては、エシカルファッションやサステナブルファッション*1といった言葉が目に留まるようになりました。
*1 もっとくわしく知りたい方は環境省が発信している「サステナブルファッション」をチェック。
エシカルファッションのエシカルは直訳すると、「倫理的な」「道徳的な」といった意味です。
ですので、エシカルファッションとは、人や地球環境、社会や地域に配慮した倫理的・道徳的に正しいファッションといった意味になります。
ちょっとこむずかしい表現ですよね。
この記事では、もう少し噛み砕いてエシカルファッションについてお話したいと思います。
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目次
なぜエシカルファッションを選ぶの?

そもそもなぜ、エシカルファッションといった言葉が取り上げられるようになったのでしょう?
その背景にはこのような事実があります。
- 自然環境への影響
- 過酷な労働環境
ひとつずつ説明していきますね。
環境への影響
UNCTAD(国連貿易開発会議)によると、ファッション業界は世界でも2番目に環境汚染をしている産業とみなされています。
実は服を作るための綿花栽培から縫製、さらには廃棄に至るまで、環境に与えるインパクトはとても大きなものなのです。
国際連合広報センターのサイトには、驚くべき数値が載っています。
▶︎ 1本のジーンズの生産には、2,000ガロンの水が必要です。
▶︎ ファッション業界は全世界の廃水の20%を作り出しています。
▶︎ 衣料品と履物の製造は、全世界の温室効果ガス排出量の8%を占めています。
▶︎ 毎秒、ごみ収集車1台分に相当する繊維が埋め立てに使われたり、焼却されたりしています。
▶︎ 2000年から2014年にかけ、衣料品の生産量は倍増しています。
シーズンごとに「トレンドの服を買う」のではなく、「1枚の服を大切に着る」そんな意識改善が必要ですね。
過酷な労働環境
2013年に衝撃的な出来事がありました。
バングラデシュの首都ダッカ近郊で、複数の縫製工場が入ったビルが崩壊したのです。
「ラナプラザの悲劇」ともいわれるその大惨事は、死者1100人以上、負傷者2500人以上を出しました。
違法に増築していたそのビルでは、事故前日に亀裂を見つけており、使用をやめるよう警告があったのです。
それにもかかわらず、ビルのオーナーは稼働を続け、従業員は仕事をしなければ解雇される懸念があったため、作業していたそうです。
そのビルの中には、世界的に有名なアパレルメーカーの縫製工場がいくつか入っていました。
この悲劇が引き金となり、ファッション産業における労働環境・人権問題について見直されるきっかけになりました。(ただバングラデシュにおける縫製工場の労働環境改善は、まだまだ進んでいないとの報告もあるようです)
華やかなファッション業界の真実を知った時、あなたならどのような選択をしますか?
エシカルファッションを選ぶ3つのメリット

それではエシカルファッションを選ぶメリットを3つ、紹介します。
- 自然環境にやさしい
- 生産者にやさしい
- 生活者にやさしい
それぞれについて、みていきましょう。
自然環境にやさしい
エシカルファッションは、自然環境にやさしい製品です。
なぜなら、環境負荷の少ない素材と生産工程で作られているからです。
例えば、エシカルファッションの素材には、多くのブランドでオーガニックコットンを使います。
通常のコットン栽培では化学薬品(肥料・殺虫剤・除草剤・殺菌剤・枯葉剤など)を大量に使用するため、農業従事者の健康被害や土壌汚染は深刻な問題でした。
オーガニックコットンであれば、通常の栽培のような化学肥料・農薬を使わないことで、農業従事者の健康を守ること、土壌や地下水を汚染しない・生態系をできるだけ壊さないことが可能です。
また染色にも配慮した製品であれば、化学染料からでる環境ホルモンや重金属の海水への流入を防ぐことができます。
環境に負担をかけない素材と生産方法であること、それがエシカルファッションです。
生産者にやさしい
エシカルファッションは、生産者にやさしい製品です。
なぜなら、生産者にとって適正に取引された製品であること、また職人の技術や伝統を継承しているからです。
安価にできるため綿花栽培から縫製まで途上国で行うことが多い産業ですが、現地生産者の経済・社会・環境に配慮したフェアトレード製品*2であることもエシカルファッションといえます。
*2 フェアトレード:開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。出典:フェアトレードジャパン
また大量生産に押され、衰退しかねない地域の縫製技術を活かした製品や伝統工芸品も、エシカルファッションといえるでしょう。
このように、生産者の生活を守ること・地域の財産を守ること、これもエシカルファッションです。
生活者にやさしい
エシカルファッションは、私たち生活者にやさしい製品です
なぜなら、愛着を持って永く着ることができれば、お財布にもやさしいからです。
安価な服を購入する方が一見お得に感じますが、シーズンが変われば廃棄してしまったり、ほつれたり・破けたりしてもお直ししてまで着続けるほど愛着もわかないですよね。
エシカルファッションの背景にあるストーリーを知れば、愛着もわくもの。
愛着を持った衣服は、ほつれたり・破けたりしたらお直しするのはもちろんのこと、年齢的・体型的に合わなくなった場合には、アップサイクル*3しましょう。
*3 アップサイクル(upcycle):デザインや技術で新しい価値をもたらす製品にすること
服を大切に着るという気持ちが、エシカルファッションにつながると考えると、そうむずかしいことではないですね。
エシカルファッションを意識すると、これからのお買い物が変わってきそうです。
エシカルファッションの選び方!チェックすべき4つのポイント

エシカルファッションを選ぶ時にチェックすべきポイントは、4つ!
- 環境に配慮した製品を選ぶ
- フェアトレード製品を選ぶ
- 地域産業活性化製品を選ぶ
- 認証ラベルがついた製品を選ぶ
順番に説明していきますね。
環境に配慮した製品を選ぶ
エシカルファッションを選ぶなら、環境に配慮した製品を選びましょう。
先にお伝えしたように、ファッション産業が自然環境に与えるインパクトはとても大きいものです。
例えば、コットン素材であればオーガニックコットンを使った製品であること、将来的に自然分解可能な素材の製品であること、リサイクルされた素材を使っている製品であることを意識してみましょう。
それは、生産者や地球環境の健康を守ることや資源をムダにしないことなどにつながります。
追って、環境に配慮した製品を販売しているブランドを紹介します。
フェアトレード製品を選ぶ
エシカルファッションを選ぶなら、フェアトレード製品を選びましょう。
日本には、途上国で生産された衣服が多く輸入されています。
フェアトレードは、そうした地域の生産者に安全で健康な労働環境を守り、公正な対価を支払う仕組みです。
追って、フェアトレード製品を販売しているブランドを紹介します。
地域産業活性製品を選ぶ
エシカルファッションを選ぶなら、地域産業の活性化を考えている製品を選びましょう。
それは、技術・伝統・雇用を守るということです。
大量生産された製品ではなく、地域に根付いた工芸品や職人技術を継承し人材を育てて作られた製品、これもエシカルファッションです。
追って、地域産業活性製品を販売しているブランドを紹介します。
認証ラベルがついた製品を選ぶ
エシカルファッションを選ぶのに、「認証ラベル」を参考にするのもオススメです。
認証ラベルは、第三者機関が基準を設け、その基準に適合しているか審査をし、認められた証です。
エシカルファッションに関係する認証ラベルをいくつか紹介します。
▶︎ GOTS認証(Global Organic Textile Standard)
環境配慮・雇用倫理・労働環境などに配慮したオーガニックテキスタイルの世界基準
▶︎ OCS 100(Organic Content Standard)
原料から最終製品までの追跡し、その製品がオーガニック繊維であることを証明
▶︎ 国際フェアトレード認証ラベル(The FAIRTRADE Marks)
原料の生産から輸出入・加工・生産工程まで国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が守られていることを証明
第三者機関による認証は安心の証ともいえますが、認定を取得するには時間も費用もかかります。
自分たちの活動について独自に発信しているブランドもあるので、そういったことにも耳を傾けていきたいですね。
エシカルファッションブランドおすすめ7選

それでは、上記4つのポイントを押さえたオススメのエシカルファッションを紹介します。
- PRISTINE|プリスティン
- People Tree|ピープルツリー
- steteco.com|ステテコドットコム
- Creeretoile|クレールトワール
- tennen|テンネン
- NADELL|ナデル
- EIJI|エイジ
順番にみていきましょう。
PRISTINE|プリスティン

PRISTINE(プリスティン)は、オーガニックコットンや天然素材を使った服を製造・販売しています。
オーガニックコットンを採用している理由は、『気持ちがいいから・働く人も幸せだから・地球を守れるから』ということ。
オーガニックコットンは、3年以上農薬や化学肥料を使わない農地で栽培するので手間も時間もかかりますが、生産者の健康・地球の健康を考えた栽培方法です。
そして、糸・生地・最終製品までの製造過程においては、国内の職人技術を継承するため、日本で行っています。
プリスティンの服は、丈夫で洗濯可能、そして肌触りが心地よく着ていて気持ちがイイのです。

素材から製造までさまざまな工程でこだわったプリスティンの服、ぜひ手にとっていただきたいです。
\オーガニックコットンの肌触りが気持ちイイ/
PRISTINE|プリスティン |
特徴:オーガニックコットン、天然素材、国内の職人技術継承 |
People Tree|ピープルツリー

People Tree(ピープルツリー)はフェアトレード専門ブランドで、30年にわたりエシカルで地球環境にやさしく、サステナブルなファッションを作り続けています。
フェアトレードであることは、途上国の人たちにとって大きな意味を持ちます。
フェアな市場に参加できるだけでなく、手仕事を活かすことやその土地の伝統を受け継ぐことができるからです。
ピープルツリーでは、地域の伝統技術である手織りや手刺しゅうや草木染めなどを積極的に採用するようしています。
使う素材も、オーガニックコットンなどのこだわった天然素材であることを意識しています。
天然素材を手仕事で仕上げるピープルツリーの製品には、バングラデシュ職人による手刺繍の入ったオーガニックコットンのウエディングドレスもあります。
素敵な1点ものですね。
ピープルツリーのファッションは、人や自然環境そして社会にやさしいフェアトレードに興味があるあなたにオススメです。
\フェアトレードに興味があるなら/
People Tree|ピープルツリー |
特徴:フェアトレード、オーガニックコットン、天然素材、途上国の職人技術・伝統継承 |
steteco.com|ステテコドットコム

つぎに紹介するのは、ステテコを軸に天然素材のリラックスウェアを製造・販売しているsteteco.com(ステテコドットコム)です。
ステテコづくりでは、日本ならではの技術を活かし、滋賀や京都で生地の織りや染めをし、そして自社工場のある大分で仕上げをおこなっています。
また、コットン製品の発展として、コットンのなかでも最高級ランクに分類されるスーピマコットンとオーガニックコットンを合わせた接結素材のインナーも展開しています。
接結素材とは、表と裏の2枚の生地を重ね、部分的に糸で留める素材で、合わせた生地の間に空気を含んでふんわり暖かいのが特徴です。
とてもやわらかい細い糸を使っているので、毛羽立ちにくく、やわらかくてやさしい肌触りなのでストレスなく着られるアイテム。
敏感肌の方、締め付け感が苦手な方、肌触りの良いコットン素材のインナーを探している方にオススメです。
\天然素材で心地よい肌ざわりの肌着/
steteco.com|ステテコドットコム |
特徴:オーガニックコットン、天然素材、国内の職人技術継承 |
Creeretoile|クレールトワール

つぎに、日本発エシカルバックのブランド Creeretoile(クレールトワール)を紹介します。
クレールトワールのバックは、レザーやファーを使っているように見えますが、動物由来の素材は使わず、レザー部分にはペットボトル由来の素材を使っています。
エシカル製品は、素材感を活かしたシンプルなアイテムをよく見ますが、クレールトワールのバックは、個性的なデザインと美しいカラーバリエーションが特徴です。
シンプルなコーディネートにも合わせやすくポイントにもなるので、トレンドに左右されることなく長く愛用できるアイテム。
その上、手に取りやすいお手頃価格なのもポイントです。
トレンドに流されることなく、新感覚のエシカルファッションを気軽に楽しみたい方にオススメです。
\もっと気軽にエシカルファッションを楽しむ/
Creeretoile|クレールトワール |
特徴:アニマルフリー、アップサイクル |
tennen|テンネン

tennen(テンネン)の製品は、糸・生地・ボタンまで、すべて自然分解が可能な素材で作られています。
着続けたのちに最終段階で「ゴミ」ではなく、土に還ることができるのです。
天然素材を生かすのに、日本の職人技術や産業を受け継ぐことを意識しており 『現代の日本の技術と発想、クリエイティビティで、気持ち良く丈夫な服を新たに作り出していこう』 と考えているそうです。
また服づくりの成り立ちから学びたいということで、日本でオーガニックコットンの栽培に挑戦しているとのこと。
テンネンは、日本の職人技術や自然にやさしい素材でつくられた服に興味があるあなたにオススメのブランドです。
\100%すべて還せる服/
tennen|テンネン |
特徴:オーガニックコットン、自然分解可能素材、国内の職人技術継承 |
NADELL|ナデル

NADELL(ナデル)は、オーガニックコットンをはじめとした天然素材を使ったファッションブランドです。
オーガニックコットンを選んでいるのは、綿花栽培に携わる人々の健康や自然環境を守るため。
そして、ナデルが使用しているオーガニックコットンは、オーガニック・テキスタイル世界基準「GTOS(Global Organic Textile Standard)認証」を受けています。
「GTOS認証」は、原材料がオーガニックであることだけでなく、染料などに毒性を含まないこと、労働環境の整備など様々な基準をクリアしたものの証です。
ナデルでは、オーガニックコットンやシルクなどの天然素材を使ったウエディングドレスがオーダーできるだけなく、母親のドレスをリフォームすることも可能です。
これは素敵な1着になりますね!
また、生産過程で残った布での小物作りや、天然素材を取り入れたビンテージの服作りにもチャレンジしていくそうです。
ナデルは、オーガニックコットンやシルクなど、こだわりの天然素材に興味があるあなたにオススメのブランドです。
\カラーも美しい天然素材の服/
NADELL |ナデル |
特徴:GTOS認証、オーガニックコットン、天然素材、リフォーム・リサイクル・リユース |
EIJI|エイジ

EIJI(エイジ)は 、世界最高峰のオーガニックコットンといわれるアルティメイトピマを100%使用したTシャツを製造しています。
Tシャツは、直接肌にふれるものなので、素材にこだわったそうです。
アルティメイトピマは、『滑らかな肌触りとふわっと軽い着心地、着れば着るほど肌に馴染むのが特徴』です。
そして、糸から縫製までを繊維の街である大阪ですべてしているため 、生産工程の効率化や品質管理が徹底しておこなうことが可能になります。
Tシャツは、フルオーダーもパターンオーダーも可能とのこと。
Tシャツをオーダーってなんとも贅沢ですが、愛着を持って永く着られるものと考えれば賢明な買い物なのかもしれません。
エイジは、世界最高峰のオーガニックコットンのTシャツに興味があるあなたにオススメのブランドです。
\こだわりのTシャツを探すなら/
EIJI | エイジ |
特徴:オーガニックコットン(アルティメイトピマ)、国内の職人技術継承 |
以上、お気に入りを見つけよう!エシカルファッションブランドおすすめ7選を紹介しました。
大好きなファッションが、人や自然や未来にやさしいもので作られていたら、気持ちがイイですよね。
この記事が、あなたのエシカルファッション選びの役に立つことができたならうれしいです。
まとめ
お気に入りを見つけよう!エシカルファッションおすすめの7ブランドを紹介しました。
いかがでしたか?
お気に入りのファッションブランドを着ることで、環境問題・社会問題に貢献できたらうれしいですよね。
ぜひ、エシカルファッションをいつものアイテムに取り入れてみてくださいね。
以上、お気に入りを見つけよう!エシカルファッションブランドおすすめ7選でした。

