料理をするうえで一番に考える調味料といえば、なにを思い浮かべますか?
わたしは塩選びを重要視しています。
つかう塩によって料理の味を格段にアップしてくれたり、うまみや深みをもたらしてくれたりするので、塩選びはとても大切。
ただ塩にはさまざまな種類があって、どれを選んだらいいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、塩の選び方について説明をするとともに、オススメの自然塩を紹介します。
あなたの塩選びの参考にしてみてくださいね。
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目次
塩の原材料とは?
まずは、塩の原材料について説明します。
塩の原材料は主に、つぎの3つに分類できます。
- 海塩
- 岩塩
- 湖塩
ひとつずつ、説明しますね。
海塩
海塩とは、海水から作られる塩のこと。
世界各国の沿岸で生産されています。
一般的に、岩塩や湖塩よりもニガリを多く含むので、ナトリウム以外のミネラル成分の含有量が多いといわれています。
岩塩
岩塩とは、かつて海だった場所が地殻変動などで海水が閉じ込められ、結晶化した塩です。
ヒマラヤ山脈、アンデス山脈から採掘される岩塩が有名です。
湖塩
湖塩とは、塩分濃度の高い湖で自然に結晶化した塩です。
塩分濃度の高い湖も、地殻変動で海水が陸に閉じ込められてできたなどといわれています。
有名なのは、死海やカスピ海、南米ボリビアのウユニ湖などです。
以上、塩の原材料について説明しました。
どの塩も、もとをたどれば原材料は海水です。
この記事では、ミネラル成分がバランスよく含まれていて、日本人になじみのある海塩のオススメを紹介します。
どんな塩がいい塩なの? 塩の選び方
それではつぎに、塩の選び方について説明します。
海塩の製法は大きく、つぎの3つに分けられます。
- 精製塩
- 再製加工塩
- 自然塩
詳しくみていきましょう。
精製塩
まず、日本で広く流通している精製塩について説明します。
精製塩は「食塩」や「食卓塩」として販売されています。
その名のとおり精製された塩で、イオン膜を利用して海水を濃縮し、塩化ナトリウム成分を集めて作られます。
99%以上が塩化ナトリウムで構成されているので、ほかのミネラル成分はほとんど含まれていません。
塩が固まるのを防ぐために、炭酸マグネシウムを加えたものもあります。
品質が均一化されていて、サラサラしているのが特徴です。
精製塩を見分けるポイントは、成分に塩化ナトリウム99%以上、工程にイオン膜、溶解、立釜などの表記があることです。
精製塩は、ナトリウム成分の高い精製された塩のことです。
再製加工塩
つぎに、再製加工塩について説明します。
再製加工塩とは、海外から輸入した天日塩を、日本で水や海水に溶かしてつくった塩です。
主に、天候に恵まれたメキシコやオーストラリアで作られた天日塩を輸入しています。
輸入した塩にはニガリがほとんど含まれていないので、ニガリを含ませたり、日本の海に溶かしたりして、ニガリを含ませ成分調整をします。
再製加工塩を見分けるポイントは、原材料に天日塩、マグネシウム(ニガリ)、工程に溶解、立釜(または平釜)の表記があることです。
再製加工塩とは、海外から輸入した塩を日本の海に溶かして作られた塩のことです。
自然塩
最後に自然塩について説明します。
自然塩とは「自然海塩」や「天然塩」とも言われることがありますが、実は決まった定義はありません。
精製塩や再生加工塩と区別をするため、「自然塩」や「天然塩」と呼ぶことが一般的になっています。
自然塩とは、海水を天日干しや平釜で煮詰めた後に、ゆっくりと時間をかけて結晶化させてつくる塩を指します。
このようにつくると、ナトリウムのほかに、マグネシウム、カルシウム、カリウムや鉄・銅・亜鉛などのミネラルも含むので、料理にうまみや深みをもたらしてくれる塩に仕上がります。
自然塩を見分けるポイントは、原材料に「海水」、工程に「天日」や「平釜」の表記があることです。
自然塩とは、自然や人の力を使って、ゆっくりと作られる塩のことです。
以上、海塩の製法について説明しました。
「いい塩」の定義は人それぞれだと思います。
精製塩や再製加工塩は、サラサラしていて使いやすかったり、お値段がお手ごろだったりといった点があります。
ただわたしが考える「いい塩」とは、
▶︎ きれいな海の水から伝統製法でていねいにつくられていること
▶︎ ナトリウムのほかに、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラル成分が含まれていること
▶︎ それにより素材の味が引き出され、料理にうまみや深みをもたらしてくれること
だと思っているので、自然塩を選んでいます。
これから紹介する自然塩は、伝統製法でつくられ、料理にうまみや深みをもたらしてくれる「いい塩」です。
ぜひ、自然塩を選ぶ際の参考にしていただければ、うれしいです。
オススメの自然塩7選
それでは、オススメの自然塩を紹介します。
数ある自然塩のなかから選んだのは、つぎの7つ。
それでは順番に紹介しますね。
海の精 あらしお
まずは、伊豆諸島北部に位置する大島で作られている「海の精 あらしお」を紹介します。
海の精は、伝統の塩を求める人たちが立ち上がって作った日本の伝統海塩です。
原料は、美しい自然に囲まれた伊豆大島近海の海水のみ。
海水からのニガリ成分をほどよく含んでいるので、しっとりしているのが特徴です。
「海の精 あらしお」は、マクロビオティックの教室でも使われています。
シンプルな料理だからこそ、素材の甘みやうま味を引き出してくれるお塩が活きてきますね。
どんな料理にも合うので、塩選びで迷っているあなたにはまずは「海の精 あらしお」からはじめてみることをオススメします。
原産地 | 伊豆大島 |
原材料 | 海水 |
工程 | 天日・平釜 |
ひんぎゃの塩
つぎに紹介するのは、伊豆諸島の最南端に位置する青ヶ島の「ひんぎゃの塩」です。
「ひんぎゃの塩」は、島周辺の黒潮の海水を汲み上げ、噴気孔からでる地熱蒸気を利用して作られます。
島の人たちは、噴気孔のことを「火のきわ」「火の矢」という意味の「ひんぎゃ」と呼ぶんだそうです。
硫黄の匂いはほとんどない地熱蒸気に約3週間かけて、ゆっくりじっくり濃縮したあと結晶化させ、ひんぎゃの塩は出来上がります。
カルシウムが1000mg(100gあたり)と一般的な塩よりも豊富で、まろやかな塩味と甘みを感じます。
「ひんぎゃの塩」は、サラダや浅漬けなど、塩味を浸透させる料理にオススメです。
原産地 | 伊豆諸島 青ヶ島 |
原材料 | 海水 |
工程 | 平釜 |
土佐の塩丸
つぎに紹介するのは、高知県の黒潮町で作られる「土佐の塩丸」です。
土佐の雄大な太平洋の海水を、太陽と風の力だけで水分を蒸発させ、手作業で撹拌しゆっくり結晶化させて作る完全天日塩です。
塩になるまでに夏場で1ヶ月、冬場は2ヶ月以上もかかるそうです。
味わいはまずしょっぱさを感じますが、余韻にうまみを感じます。
土佐の塩丸には、「白丸」と「青丸」があります。
「白丸」は、粒が大きく、ほどよい硬さが食感として楽しめます。
肉料理に添えても、ゆで卵やサラダにパラパラかけても美味しいです。
いっぽうで、「青丸」は、粒が細かいので、おむすびや漬物などにオススメ。
料理によって使い分けてみてくださいね。
原産地 | 高知県 |
原材料 | 海水 |
工程 | 天日 |
粟國(あぐに)の塩 釜炊き
つぎに、沖縄本島からおよそ60km離れた粟国島で作られている「粟國の塩」を紹介します。
太陽光と潮風をさえぎる建物のないことや環境汚染がないことなど、理想の環境を探してたどりついた粟国島北部に製塩所があります。
海水をポンプで汲み上げ、立体式塩田タワーの中にある竹枝にかけ流して循環させ、1週間以上かけて濃縮します。
その後、薪で焚いた平釜で煮詰め、焦げないよう人の手で丁寧にかきまぜ、30時間かけてゆっくりと結晶化させます。
口に含むと、塩味がまろやかで、ほのかな甘みも感じます。
野菜をゆがくときにつかうと、野菜がとても甘くなるように思います。
また玄米を炊くときに入れると、玄米が苦手な人でも食べやすくなるように感じます。
ぜひ試してみてくださいね。
原産地 | 沖縄県 粟国島 |
原材料 | 海水 |
工程 | 天日・平釜 |
カンホアの塩 石臼挽き
ここからは、海外で作られる塩を紹介します。
最初に、フランス領インドシナ時代から天日塩の名産地ベトナム・カンホア省で作られる「カンホアの塩」を紹介します。
まず、海水を結晶化させるのに、12〜13の天日塩田を経由して、濃縮させます。
その後、余分なニガリを自然の重力で落とし、石臼で挽き、天日乾燥させて仕上げます。
海水を汲み上げてから製品にするまで2〜3ヶ月かかりますが、『海のような、深く豊かな味わい』の塩を作るために必要な工程です。
石臼挽きの塩は、そのまま口に含むとつよい塩味を感じるのですが、料理に使うとまろやかになり、ほのかに甘みやうま味を感じる奥深い味わいです。
溶けやすいのでどんな料理にも使いやすく、特に味噌や塩麹などを作るのにオススメです。
ぜひ、カンホアの塩を使った調味料をお試ししてみてくださいね。
原産地 | ベトナム カンホア |
原材料 | 海水 |
工程 | 天日・粉砕 |
ゲランドの塩 顆粒
つぎに紹介するのは、フランス・ブルターニュ半島南部のゲランドの塩田で海水からで作られている「ゲランドの塩」を紹介します。
1000年以上の歴史を持つ塩田で、天日と風を利用した昔ながらの天日塩を手作業で作っています。
ゲランドの塩の顆粒タイプは、まろやかな塩味と甘み、うま味を感じます。
スープやパスタを作ると、ダシのようなうま味とコクが引き出されて一段と美味しく感じます。
また、お菓子やパン作りとの相性もいいので、ぜひお試ししてみてくださいね。
原産地 | フランス ブルターニュ地方ゲランド |
原材料 | 海水 |
工程 | 天日 |
マルドン シーソルト
最後に紹介するのは、イギリスのエセックス地方で200年以上にわたり作られているマルドン シーソルトです。
マルドンの塩は、海外ではめずらしい伝統的な釜炊き製法で作られています。
塩分濃度の高い海水を汲み上げ、平釜で煮詰め、水分を蒸発させた後、手作業でていねいに結晶を集めます。
マルドンの美味しさは、ピラミッド型の結晶や薄いフレーク状で、シャリシャリした食感が楽しめること。
マルドンシーソルトは、料理の仕上げに使うのがオススメです。
グリル野菜やサラダにふりかけても美味しいのですが、ぜひ、トーストにオリーブオイルとマルドンを試していただきたいです。
原産地 | イギリス |
原材料 | 海水 |
工程 | 平釜・乾燥 |
以上、塩が変わると料理が変わる!おすすめ自然塩7選でした。
自然塩はパッケージもステキなので、いろいろ取り揃えたくなってしまいますよね。
どれも、地域のきれいな海水を原材料とし、精製はせず伝統製法で作られていること、料理が一段と美味しく感じられるお塩です。
この記事が、あなたの自然塩選びの参考になればうれしいです。
まとめ
この記事では、料理が一段と美味しくなる自然塩を紹介しました。
いかがでしたか。
オススメの自然塩を、一覧にまとめました(精製塩は参考まで)。
商品名 | 海の精 あらしお | ひんぎゃの塩 | 土佐の塩丸 | 粟國の塩 釜炊き | カンホアの塩 石臼挽き | ゲランドの塩 顆粒 | マルドン シーソルト | 精製塩(食卓塩) |
写真 | ||||||||
原材料 | 海水(伊豆大島) | 海水(伊豆諸島 青ヶ島) | 海水(高知県黒潮町) | 海水(沖縄県 粟国島) | 海水(ベトナム カンホア) | 海水(フランス ゲランド) | 海水(イギリス エセックス地方) | 海水(メキシコ)、炭酸マグネシウム |
製造工程 | 天日・平釜 | 平釜 | 天日 | 天日・平釜 | 天日・粉砕 | 天日 | 平釜・乾燥 | 溶解・立釜・乾燥・混合 |
食塩相当量 | 83.36g | 85.63g | 90.4g | 73.4g | 85.82g | 94g | 97.9g | 99.53g |
マグネシウム | 700mg | 1000mg | 524mg | 1660mg | 780mg | 435mg | 44mg | 110mg |
カルシウム | 400mg | 1020mg | 888mg | 250mg | 620mg | 160mg | 150mg | 0.81mg |
カリウム | 240mg | 470mg | 107mg | 480mg | 250mg | – | 49mg | 1mg以下 |
マグネシウムが多いと苦味、カルシウムが多いと甘味、カリウムが多いと酸味を強く感じるといわれています。
ぜひ、料理によって塩を選んでみてくださいね。
以上、塩が変わると料理が変わる!おすすめ自然塩7選でした。